【連載】
作業を効率化させる Excelテクニック集(5)
第5回 ショートカットキーで作業スピードアップ
掲載日:2022/04/12

Excelの作業時間を短縮するために、キーボードのショートカットは欠かせない。マウスとキーボードを行き来して、時間のロスになってしまう、という経験をした方も多いのではないだろうか。今回は、よく使う動作のショートカットをご紹介。徐々に覚えて、なるべくキーボードでできる作業を増やしていこう。
基本的なショートカット
まずは、基本的なショートカットから覚える。ここで説明するのは標準的なキー操作で、一部の機種では[Fn]キーを加えるものもある(PgUp/PgDnなどのキーの文字が□で囲まれている場合は[Fn]キーが必要)。以下のキーを押しても機能しない場合は、PCのマニュアルも確認しよう。
2つ以上のキーを同時に押すものは「+」、1つずつ順番に押すものは「→」で示す。
ショートカット | 機能 |
---|---|
[Ctrl]+[C] | コピー |
[Ctrl]+[X] | 切り取り |
[Ctrl]+[V] | 貼り付け |
[Alt]→[Ctrl]→[V] | 「形式を選択して貼り付け」ダイアログを表示 |
[Ctrl]+[D]/[Ctrl]+[R] | 選択範囲内で下方/右方のセルにコピー |
[Ctrl]+[F]/[Ctrl]+[H] | 検索/置換 |
[Ctrl]+[A] | 全選択 ● 値が入力されているセルを選択して押すと、該当セルを含む 表全体が選択される ● 未入力のセルを選択して押すとシート全体が選択される |
[F4] | 同じ操作を繰り返す |
[Ctrl]+[Home]/[Ctrl]+[End] | セルA1にジャンプ/使用中の最後のセルにジャンプ |
[Ctrl]+[;]/[Ctrl]+[:] | 当日/現在時刻を入力 |
[Ctrl]+[PageDown(PgDn)]/ [Ctrl]+[PageDown(PgDn)] |
複数のシートがある場合、右/左のシートに移動 |
[Ctrl]+[Tab] | 複数のブックを開いている場合、ほかのブックに切り替える 3つ以上開いている場合は、開いた順にブックを切り替える ([Shift]+[Ctrl]+[Tab]で逆順にブックを切り替える) |
[F12] | 名前を付けて保存 |
[Ctrl]+S | 上書き保存 |
[Ctrl]+[W] | 1つのブックを閉じる |
[Alt]→[F]→[X] | 全てのブックを閉じる |
[Ctrl]+[N] | 新しいブックを開く |
[Alt]+[Tab] | 複数のアプリケーションを開いているとき、アプリケーションを 切り替える ※[Alt]+[Tab]を押すと、起動中アプリケーション一覧が表示され、 [Alt]を押したまま[Tab]を押していき、切り替えるアプリケーション を選択したら[Alt]を離す |
[Ctrl]+[P] | 印刷する |
[Alt]キーでヒントを表示
リボンから実行する機能は、[Alt]キーを押すとショートカットのヒントが表示される。

[Alt]キーを押したあと、[H]キーを押すと「ホーム」タブに移動し、各コマンドのショートカットヒントが表示される。

つまり、これらのショートカットキーは覚えていなくても[Alt]キーを押せばヒントが出るので、それに従って押せばいいということだ。
また、[Ctrl]キーを使うショートカットは2つ以上のキーを同時に押すものが多いが、[Alt]キーから始まるショートカットは、キーを1つずつ順番に押していくものがほとんどである。
表のレイアウトを変えるショートカット
表のレイアウトを変更するときに使うショートカットを確認しよう。
※ただし、Excelのバージョンによって異なるものもあるので要注意。
ショートカット | 機能 |
---|---|
[Alt]→[H]→[A]→[L]/[Alt]→[H]→[A]→[R] (または、[Alt]→[H]→[L]→[1]/[Alt]→[H]→[R]) |
文字の左揃え/右揃え ● セルを選択したときは、該当のセルのみ ● 列を選択したときは、選択した列全て |
[Alt]→[H]→[F]→[C] (または[Alt]→[H]→[F]→[1]) |
文字色の変更 |
[Alt]→[H]→[H] | 背景色の変更 |
[Alt]→[H]→[F]→[F]/[Alt]→[H]→[F]→[S] | フォント種類の変更/フォントサイズの変更 |
[Ctrl]+[1] | 「セルの書式設定」ダイアログを開く |
文字色・背景色の変更
文字色、背景色の変更は、上表のショートカットキーを押すとカラーパレットが表示される。指定したい色は矢印キーで選択し、[Enter]キーを押す。

フォント種類・サイズの変更
フォント種類、フォントサイズの変更は、上表のショートカットを押し、[↑]/[↓]キーでフォント、サイズを選択し[Enter]キーを押す。

「セルの書式設定」
セルの書式設定の際、書式設定を変えるセルを選択し、右クリックから開いてもよいが、これもショートカットで設定できる。
1. [Ctrl]+[1]でダイアログを開く。
2. [Ctrl]+[Tab]でタブを移動する(逆に移動する場合は[Ctrl]+[Shift]+[Tab])。
3. [Tab]で項目移動する。
● 選択肢がある場合は[↑][↓]で選び、[Enter]を押す。
● チェックを付け外しするときは、[Space]キーで切り替える。
4. [Enter]で設定を反映してダイアログを閉じる。設定をキャンセルして閉じるときは[Esc]を押す。

列・行を操作するショートカット
列・行の削除や追加もショートカットで可能だ。データの端まで移動するショートカットと併せて紹介する。
ショートカット | 機能 |
---|---|
[Shift]+[Space] | 行全体を選択 |
[Ctrl]+[Space] | 列全体を選択 |
[Shift]+[Space]→[Ctrl]+[Shift]+[+] (テンキーがある場合は、[Ctrl]+[+]) |
行を挿入 |
[Shift]+[Space]→[Ctrl]+[-] | 行を削除 |
[Ctrl]+[Space]→[Ctrl]+[Shift]+[+] (テンキーがある場合は、[Ctrl]+[+]) |
列を挿入 |
[Ctrl]+[Space]→[Ctrl]+[-] | 列を削除 |
[Ctrl]+矢印 | データの入った表の端まで移動 例:[Ctrl]+[→]はデータの右端に移動 |
[Shift]+[Ctrl]+矢印 | 連続したセル範囲を選択 |
[Alt]→[H]→[O]→[I] | 列幅の自動調整 |
[Shift]+[Alt]+[→] | グループ化するセルを選択し、ショートカットを押すと 「グループ化」ダイアログが表示される |
なお、セルを挿入、削除する場合は[Ctrl]+[Shift]+[+](テンキーがある場合は[Ctrl]+[+])で「セルの挿入」ダイアログを開く。
このようなショートカットを覚えておくと、作業時間の削減につながる。また、[Alt]キーを押すとヒントが表示されることも把握しておいて、日ごろのビジネスに役立てたい。